世界首長誓約/日本(GCoM Japan)立上の準備状況について

「Global Covenant of Mayors for Climate and Energy Japan」

はじめに
現在、Global Covenant of Mayors for Climate and Energy Japan「世界気候エネルギー首長誓約 日本」(「世界首長誓約/日本」(GCoM Japan))の立上が準備されています。
「世界気候エネルギー首長誓約」の下の「世界首長誓約/日本」に誓約する自治体は、「パリ協定」の約束達成を地域から支えていく国際的な自治体ネットワークの一翼を担うという新たなブランドを獲得することになるとともに、エネルギーの地産地消などを通じた地域創成のフロントランナーになります。

1 経緯
「日本版『首長誓約』」は、欧州連合(EU)が2008年から進めてきた「首長誓約(Covenant of Mayors:CoM)」をモデルにして2015年から実施されてきました。
このEUの「首長誓約(Covenant of Mayors:CoM)」と、米国のBloomberg財団などが2014年から進めてきた「気候変動政策首長誓約(Compact of Mayors)」が2016年に合流し、「世界気候エネルギー首長誓約(Global Covenant of Mayors for Climate and Energy)」となりました。
2017年には、「世界気候エネルギー首長誓約」の下に、EU地域だけでなく、北米、ラテンアメリカ・カリブ地域、サハラ以南のアフリカ、インド、中国・東南アジア及び日本の各地域において、地域の制度的特性などに応じて、地域ごとの首長誓約を展開することとなり、現在、日本を含め世界の各地域で立ち上げの準備が進められています。
日本では、Global Covenant of Mayors for Climate and Energy Japan「世界気候エネルギー首長誓約 日本」(略称:「世界首長誓約/日本」(GCoM Japan))となる予定です。

「首長誓約」の経緯などについては附属資料1参照

2 実施体制

(1) これまで「日本版『首長誓約』」の事務局を担当してきました名古屋大学大学院環境学研究科持続的共発展教育研究センターは、EUの都市間協力プロジェクト(IUC Japan)を受託しており、その一環として、「世界首長誓約/日本」(GCoM Japan)の事務局を担当し、「世界首長誓約/日本」を進めていきます。
(2) 日本事務局のweb-siteは、ブリュッセルにある国際事務局のweb-siteとつながり、自治体の皆さんはじめ、誰でも日本事務局にアクセスすれば、世界首長誓約の仕組み、世界各地での実施状況、グッドプラクティスなどや、誓約の方法、アクションプランのガイドラインなどがすべて日本語で入手できます。
また、日本の自治体が誓約したり、アクションプランの内容をテンプテートに記入したりするのもすべて日本語ででき、同じ内容が国際事務局のweb-siteでは英語になって、世界に発信されるようになります。
(3) 日本事務局では、国際事務局とつながった「ヘルプデスク」が設けられ、自治体などからのさまざまな問い合わせに応じたり、アドバイスしたりすることになります。
(4) さらに、EU の首長誓約の体制にならい、首長(市区町村長)による誓約、行動計画づくり、実施、モニタリングなどの取組を多面的に支援するため、以下の体制を整備することとし、関係者に協力要請をしていきます。基本的には、関係者には「世界首長誓約/日本」のweb-siteに登録していただき、自治体からの要請に応じて、欧州の自治体のグッドプラクティス、エネルギーの技術的事項などに関してアドバイスなどをしていただきます。
  • サポーター:環境・エネルギー関係の自治体ネットワーク団体や組織
  • コーディネーター:都道府県や都道府県地球温暖化防止活動推進センターなど
  • 学術界:気候変動緩和・適応、エネルギー、交通、廃棄物などが専門の研究者
  • ビジネス界:省エネ・再エネ、電力地域小売事業、交通、廃棄物などに関係する企業、コンサルタントなど(特に、地元の企業など)
(5) また、「首長誓約/日本」は、パリ協定上の約束の達成を地域から支える仕組みですので、誓約、行動計画の実施などに関して、国(環境省など)の全面的な政策的支援が不可欠です。国の支援・協力を得た実施体制にしていきます。

3. 「世界首長誓約/日本」(GCoM/Japan)の進め方
「世界首長誓約/日本」は、EUの首長誓約の実施方法に準じて、日本の制度的・社会的特性に応じて、以下の方法で実施します。

ステップ1 「誓約」

  • ①エネルギーの地産地消、②国のCO2削減目標(2030年2013年比マイナス25%)以上の削減目標の設定、③気候変動への適応、の3つに取り組む自治体の首長は、その旨を誓約します。
注1: ここでの「首長」は、市長村長及び特別区長です。都道府県知事には、都道府県内の市区町村の「首長誓約/日本」の取り組みを支援する役割(コーディネーター)が期待されます。
注2: 「エネルギーの地産地消」とは、区域内における再エネ電力や再エネ熱の導入、コジェネの導入、地域電力小売事業の導入などを示します。
注3: 削減対象とする温室効果ガスは、基本的には、CO2(エネルギー起源CO2、廃棄物起源CO2及びその他の非エネルギー起源CO2)です。
注4: 目標年次は2030年です。基準年は基本的には2013年です。
注5: CO2のインベントリは、環境省の「実行計画策定マニュアル」に沿って作成します。
注6: 基本的には、森林による吸収量も海外クレジットもカウントしません。
注7: 2030年のCO2削減目標は、原則的には、対策・施策効果の積み上げによる方法によって設定します。

ステップ2 「持続可能なエネルギー気候行動計画」(SECAP)の策定
SECAP作成のためのガイドラインはEUのガイドラインをベースにしますが、環境省の「実行計画(区域政策編)」策定マニュアル、「地域適応計画策定ガイドライン」に沿ったもの(さらに、できるだけ簡略化したもの)に見直し作業中です。

  • 誓約自治体は、①~③を盛り込んだ「持続可能なエネルギー気候行動計画」(Sustainable Energy and Climate Action Plan:SECAP)を策定します。
  • 誓約自治体は、策定されたSECAPの内容を「SECAPテンプレート」に日本語で記入します。
注8: 2030年を目標年次とする「実行計画」(区域施策編)であって、①~③が盛り込まれているものは、SECAPとみなされます。したがって、①~③が盛り込まれる実行計画(区域施策編)を策定している、又は策定しようとする首長は、まず、ステップ1の「誓約」をしてください。
注9: ③適応策について、実行計画(区域政策編)には盛り込まれていないが、別に適応計画が策定されている、又は策定しようとする場合には、両計画を合わせてSECAPとみなされます。
注10: ①エネルギーの地産地消についても、実行計画(区域政策編)の他に、自治体独自のエネルギー計画、エネルギーマスタープランなどで、より具体的に示されている場合には、これらも含めてSECAPとみなされます。

EUの首長誓約のグッドプラクティスについては附属資料2参照

ステップ3 「モニタリング」
SECAP(SECAPと見なされた実行計画[区域政策編]などを含む。)の実施状況(CO2インベントリを含む。)をモニターします。

  • 誓約自治体は、モニタリングの状況(インベントリーなど)を「SECAPテンプレート」に日本語で記入します。
  • 誓約自治体は、2年ごとに「モニタリングレポート」(日本語)を作成します。
注11: モニタリングの際のCO2インベントリも環境省の方法によって作成します。

SECAPテンプレートの記載事項(概要)については附属資料3参照

4.「日本版『首長誓約』」の誓約自治体
2015年から、EUの誓約をモデルにして「日本版『首長誓約』」が始まっており6自治体が誓約(誓約第1号は5自治体がそろって誓約)し、この5自治体は2017年3月に共同で「持続可能なエネルギー行動計画」を策定しています。これら6自治体は、今後、「世界気候エネルギー首長誓約」傘下の「世界首長誓約/日本」に移行します。